習慣化までの過程づくり:週1回のドラム練習を習慣にする方法

現代の趣味・習い事の多様化

近年、趣味や習い事は多様化しており、ドラムだけでなく、他の習い事や趣味に取り組む人が増えています。それぞれの活動に割かれるコストの多さから、一つの趣味やスキルに割ける時間は限られているのが現状です。「週1回のドラムレッスンだけでどれほど上達できるのか?」という疑問を深く検討し、効率的な練習を考えます。

習慣化の重要性とそのメリット

習慣化がもたらすメリットには、技術向上だけではなく、達成感や自信を高めるという精神的な側面も含まれます。定期的な練習を続けることで、少しずつでもスキルが積み上がり、それがやがて大きな自信へとつながります。また、習慣化された行動は無理なく続けられるため、心身にとっての負担も減ります。こうしたメリットを踏まえると、ドラムの上達を目指すうえで、週1回の練習でも習慣化する価値が十分にあると言えるでしょう。

私も中学にて吹奏楽部に入り、初めは、定期的なドラム(打楽器)練習の習慣はありませんでした。これが入部から1年後、自宅に電子ドラムを買ってもらったことを皮切りに、習慣化することになります。

練習を定着させるポイント

この項では、筆者の経験をもとに、これまで習慣化に成功した事柄について、その理由を掘り下げて紹介します。これらのポイントを押さえることで、生徒が無理なくドラム練習を習慣に取り入れ、継続的な上達につなげることができるはずです。

練習環境の設定

練習を習慣化するには、すぐに取り組める環境づくりが非常に重要です。私の場合は自宅に電子ドラムが設置されてから、最初は全く叩けずにデタラメだったにも関わらず、本物らしいサウンドを手軽に出せることに興奮しました。そこからドラムの練習に打ち込むようになりました。

このように、ドラムセットをいつでも使える場所に置いておく、練習パッドを手近に用意しておくなど、すぐに取り組める状況を整えることで、練習への心理的なハードルが下がります。

また、練習を「やらざるを得ない」環境に組み込むことも、習慣化の大きな要素です。たとえば、定期的にレッスンを受けることで、自然と練習するタイミングが生まれ、自己管理だけでは続けづらい場面でもモチベーションが保てます。こうした環境を整えることで、生徒は日々の生活の中で練習を無理なく取り入れられるようになります。

小さな目標設定

大きな目標を立てると、それが負担になり挫折する原因になることもあります。そこで「1回の練習でスティックの握り方に集中する」「1曲のリズムパターンを練習する」など、小さく具体的な目標を毎週設定してみましょう。小さな達成感を積み重ねることで、練習に対するモチベーションも維持しやすくなります。

セルフチェックと記録

習慣化をサポートするもう一つの方法として、進捗を記録することが挙げられます。日記やアプリを使って、「今週は基礎練習に〇分取り組んだ」「リズムが安定した」などの簡単なメモを残すことで、練習の成果を視覚的に確認できます。これは「自分が成長している」という実感を得やすく、次の練習への意欲を高めてくれるでしょう。

講師として行えるサポートアクション

さて、講師(またはお子さんにドラム練習を習慣化させたい保護者の方など)が、当事者に向けてどのようにアクションすれば、習慣化できるのか?についての考察を書きます。

適切な練習プランの提示

生徒のスキルレベルや目標に応じた練習プランを提供することは、習慣化に大いに役立ちます。適切な練習プランには、「練習の狙い共有」「適切なゴール」「シンプルな練習フロー」を考えることが重要です。特に、適切なゴールが生徒本人のキャパシティに合っているかどうかを外部から見定めることが求められます。

当事者の性格によっては、これら3つの要素を段階的に与えることでも理解が進むケースがあります。例えば当事者に「練習の狙い共有」をした時点で、楽しんで目的に向かって大量の練習を取組み始めるケースもあります。

具体的なアドバイスを与えることで、生徒が目標を明確に持てるようになり、無理なく練習を継続できます。

フィードバックのタイミング

生徒の練習成果を見逃さず、定期的にフィードバックを行うことは、モチベーション維持に大いに役立ちます。フィードバックは、生徒が自分の上達を感じられる瞬間であり、次の目標を明確にする手助けにもなります。

フィードバックの方法として、以下のような一般的な例が効果的です:

  • 口頭での具体的な評価:「今日のリズムパターンはとても安定していましたね」というように、具体的な成果を指摘することで、生徒にどこが上手くいっているかを伝え、次回への自信につなげます。
  • 動画の活用:レッスンの中で録画し、成長の過程を一緒に確認することで、生徒が視覚的に自身の進歩を実感できます。
  • 段階的な目標設定の振り返り:事前に設定した小さな目標を振り返り、「このステップはクリアできているので、次はこのポイントを目指しましょう」と段階的に評価しながら進めると、成長のプロセスが明確になります。

これらの方法を活用することで、フィードバックが生徒にとって価値のあるものとなり、次の練習への意欲を高めるサポートができます。

モチベーションの維持方法

生徒のモチベーションを維持するためには、外部とのつながりを積極的に提供することが効果的です。例の一部を記します。

  • 録音や動画で自分の成長を実感したとき:録音や録画で過去と現在を比較し、技術の向上を感じられるとモチベーションアップにつながります。
  • 新しいテクニックを知った時 or 習得した時:パラディドルやゴーストノートなどのテクニックを身につけたときに、新たな可能性を感じます。
  • ライブや発表会に参加して観客の反応を感じたとき:人前での演奏で拍手や反応をもらうことで、演奏の喜びと達成感が得られます。
  • 好きなアーティストを発見し、その演奏を聴いて刺激を受けたとき:新たに好きなアーティストを見つけ、その演奏に感化されることで、練習への意欲が高まります。
  • 好きなアーティストを見つけたとき:ライブや映像でプロのパフォーマンスを見て感化されると、練習への意欲が高まります。
  • 他の楽器やバンドとのセッションが成功したとき:他の演奏者と合わせる楽しさや成功体験が、練習の原動力になります。

まとめ

週1回の練習でも、しっかりと目標を持ち、習慣化させることで確実にドラムスキルを伸ばすことが可能です。そのためには、講師のサポートが大きな役割を果たします。練習プランの提示、フィードバックの提供、モチベーション維持のサポートを通じて、生徒が楽しみながら成長できる環境を作りましょう。習慣化のプロセスを丁寧にサポートすることで、ドラム練習が生徒の日常の一部となり、結果として長期的な上達につながります。

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